· エッセイ (Essay) · N2 · 660字

じぶんへの戒めとして、書いておく(笑)

I'm Writing This Down as a Warning to Myself (lol)

いまの親(おや)たち、先生(せんせい)たちはちがうのかもしれないが、ぼくの世代(せだい)や、もうちょっと下(した)の世代(せだい)くらいまでは、大人(おとな)たちから「いい気(き)になるな」「慢心(まんしん)するな」、「簡単(かんたん)なことなどひとつもない」「努力(どりょく)が足(た)りない」、「甘(あま)く見(み)るんじゃない」というような警戒(けいかい)のことばを、ひっきりなしに言(い)われてきたものだ。いつでも、じぶんを甘(あま)やかさない戒(いまし)めのことばに首(くび)まで浸(つ)かってきたものだから、やがては、自(みずか)ら「いい気(き)になるな」と思(おも)うクセがついてしまった。

なにかをやろうとすると「難(むずか)しいぞ」と眉間(みけん)にシワを寄(よ)せ、うまく行(い)ってるときでも「なめたらコケるぞ」と諭(さと)す。これは世間(せけん)に対(たい)して言(い)ってることではない、じぶんのなかにそういう成分(せいぶん)がたぷたぷにあるのだ。ぼくは、そういう育(そだ)てられ方(かた)をしたし、そう生(い)きてきた。

ただ、それだとなんにもできないし、じぶんが他(ほか)の人(ひと)のやることに対(たい)して、なにかと脅(おど)かしたり戒(いまし)めたりする人間(にんげん)になりたくなかったので、「世(よ)の中(なか)甘(あま)いか酸(す)っぱいか、舐(な)めて見(み)なくちゃわからない」などと軽口(かるくち)を叩(たた)いて見(み)せたりもしながら生(い)きてきた。

抜(ぬ)かりはないか、なにか陥(おと)し穴(あな)はないか、それを冷静(れいせい)に探(さが)すことは、賢(かしこ)そうに見(み)えるものだから、わりと、みんながそれをやりたがったりもする。それに、失敗(しっぱい)したとき「ほら見(み)たことか」と言(い)われるのが、だれでも怖(こわ)いから、利口(りこう)な人(ひと)はチェック係(がかり)になりたがる。だけど、そこにばかり人数(にんずう)がいてもしょうがないのだ。何(なん)度(ど)も言(い)うけど、ぼくも、そっちの人数(にんずう)になりやすいのだ。そうじゃない!難(むずか)しいと思(おも)えることも、やればできることと裏表(うらおもて)の同(おな)じものだったりする。なめちゃいけないけれど、怖(こわ)がっていてもはじまらない。眉間(みけん)にシワを寄(よ)せてやることも、笑(わら)いながらでもできる。なんだか、あらためて、そういうことを書(か)いておくよ。

理解度チェック Comprehension check

  1. 筆者が最も言いたいことはどれか。

  2. 「じぶんのなかにそういう成分がたぷたぷにある」とはどういう意味か。

  3. 筆者によると、利口な人がチェック係になりたがるのはなぜか。

  4. 筆者が「そうじゃない!」と言っているのは、どのようなことに対してか。

  5. 筆者が「世の中甘いか酸っぱいか、舐めて見なくちゃわからない」と軽口を叩いてきたのはなぜか。

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